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2008年11月29日

【十】箱根アタック 其の五 樫の木平・笈平編

橿木坂の分岐点から樫の木平への階段を上らず元箱根への道を選びましたが、
結局次の階段を上って樫の木平に来ました。
西海子坂を抜けて県道の七曲りを橿木坂へ向かう頃までは
残暑厳しい快晴の下汗だくで歩いていたのですが、
ここまで来たらだいぶ雲が出てきました。
それでも彼方に小田原の市街地が見えています。
今日は標高26mの小田原から108mの湯本、400mの畑宿を通って、
標高600mの樫の木平まで来ました。
目指す箱根は、芦ノ湖の湖面が標高723m。まだ100m上らなければなりません。

樫の木平からの眺め
樫の木平からの眺め

それでは、ここにある見晴茶屋で食事と休憩です。

見晴茶屋
見晴茶屋

ざるとろろそばです。薬味にしその実が入っているのが珍しいです。
そばのつけ汁にうずらの卵が入っています。
うずらの卵生産量日本一の豊橋市で生まれた私は普通だと思っていましたが、
関東では珍しいみたいです。

見晴茶屋のざるとろろそば
見晴茶屋のざるとろろそば

暇だったようでサービスで色々付けてくれました。

サービス品の数々
サービス品の数々

栗ごはん、しそ寒天、モロヘイヤ、なすとこんにゃくの味噌炒めです。

さて、旧東海道に戻りましょう。
この辺りも引き続き須雲川自然探勝歩道なのだそうです。
元箱根まであと3km程です。石畳が続いています。
少し雨が降ってきましたが、生い茂った木のおかげでほとんど濡れません。

元箱根への道
元箱根への道

15分程歩いたでしょうか、猿滑坂に入りました。
猿滑坂は途中から階段になり、一旦県道に出ます。

猿滑坂
猿滑坂

横断歩道で県道を渡り、さらに階段を上ります。
新編相模国風土記稿には、
「殊に危険、猿猴といえども、たやすくのぼり得ず、よりて名とす」
とあるそうです。坂の入り口の解説板によれば、
昔は県道を渡る横断歩道の辺りが難所だったようです。
県道ができて現在のように階段になったのでしょう。

猿滑坂の途中で県道を渡る。
猿滑坂の途中で県道を渡る。

県道を渡った後の階段は茂みの中を抜け、
県道より高い位置の歩道へと続いています。
この高い歩道も70m程で終わり、再び階段で県道の脇へ下ります。

県道より高い位置の歩道
県道より高い位置の歩道

県道に下りて150m進むと追込坂の入り口があります。
入り口の解説板によると、一応「おいこみざか」と仮名が振ってありますが
新編相模国風土記稿には「ふっこみざか」とあり、
どちらが正しい読みなのかわからないそうです。

追込坂の入り口
追込坂の入り口

追込坂の入り口の先、県道沿いに笈平(おいのたいら)が続いています。
親鸞上人が弟子の性信房と別れた場所だそうです。
追込坂の入り口の脇は小さな公園のようになっており、
そのまま県道を200m進むと箱根旧街道資料館と甘酒茶屋があります。

追込坂は緩やかな坂です。
この道を進んでも資料館と甘酒茶屋の裏を通ります。
途中にあった立て札によると、猪が出ることがあるそうです。
猪も出ないようでは山として寂しいと思いますが、
山道で猪に遭遇したいとは思いません。勝手なものです。

追込坂
追込坂

箱根旧街道資料館の裏まで来ました。
手前の木は楓ですね。秋には紅葉が楽しめそうです。

箱根旧街道資料館の裏
箱根旧街道資料館の裏

杉林の中、石畳が続きます。

箱根旧街道資料館を過ぎた辺りの石畳
箱根旧街道資料館を過ぎた辺りの石畳

明るい所へ出ました。

明るくなった
明るくなった

そうかと思うとまた暗い道になりました。
この辺りが於玉坂らしいのですが、
どこからどこまでが於玉坂なのかはよくわかりません。

伊豆、大瀬村の百姓太郎兵衛の娘お玉が奉公先の江戸から帰郷する際、
道中手形を持っておらず、関所破りをしますが、捕らえられ処刑されました。
1702(元禄15)年のことだそうです。
「入鉄炮出女」という言葉で知られる関所の本来の目的からすれば、
百姓の娘をわざわざ処刑する必要は無いように思えます。
ただ、関所破りが違法である以上無視はできないわけで、
こういう事が時々あるのが、
本当の出女に対する抑止力にはなっていたのかもしれません。

この坂はそんな逸話の残るお玉に因んで命名されたようです。
向こうにまた明るい所が見えます。

於玉坂
於玉坂

県道に出ました。箱根旧街道資料館の裏から400m程の所です。

県道に出る
県道に出る

道端に立てられた大きな札に
「箱根旧街道 元箱根一、二〇〇米」と書かれています。
だいぶ近付きました。

2008年11月29日 06:06 | カテゴリー:東海道スタンプラリー