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2008年1月 7日

噂の彼女

※この話は事実を参考程度に面白おかしくでっち上げました。

一昨年の暮れ、友人某氏から、私が以前付き合っていた女性の噂話を聞きました。
私には、彼女が妊娠していることが何となくわかりました。

――――×――――×――――×――――

彼女との恋が始まった頃、私はニートでした。
(ただし、当時まだそんな言葉はありませんでした)
自堕落な生活を送っていた私は、彼女と結婚するために、
アルバイトをしながら学校へ行くことにしました。
その時の私は、学校を出れば、まだ何とかまともに就職できる年齢でした。

彼女の話は、時々何を言っているのかわからないことがありました。
彼女は、たまに思いもよらない方法で怪我をすることがありました。
彼女は、突然心を閉ざしてしまうことがよくありました。
私はその度に考えました。
「こういう時は何と言ってあげればいいんだろう」
世の中には彼女と似た人が結構いるみたいで、
多くの解説書が出版されていました。
彼女と会えない時間は座学の時間になりました。

彼女とは何度か喧嘩をしました。
ある時、彼女の方から仲直りを求めてきました。
「お前なんか知るか」
彼女に振り回され、疲れていた私が、
ついうっかり口にした一言で恋は終わりました。

――――×――――×――――×――――

彼女はやはり妊娠していて、年明けに出産したことが後でわかりました。
しかし、一昨年の暮れに彼女の噂話をしていた某氏は、
その時点で彼女の妊娠には気付いていなかったようです。
そんな某氏の話から妊娠がわかるくらい彼女を思う気持ちがあるのに、
結局私は彼女に何もしてあげられませんでした。

ニートだった私が社会復帰できたのは彼女のおかげでもあり、
私は彼女に感謝しています。
彼女とは別れた後も暫く友達付き合いが続いていたので、
ある日そのことを伝えました。
ところが、既に別の人との結婚を決めていた彼女にとって、
私との過去を思い出させる感謝の言葉はかえって苦痛だったようで、
結局それっきり、友達付き合いも途切れてしまいました。

昨年暮れ、某氏を含む友人達と話していた時、再び彼女の話題が出ました。
最近は、彼女から某氏への連絡も途絶えているようです。
話はだんだん「彼女は大丈夫か」という流れになってきました。
「誰か行って、2つぐらい先の角から顔出して様子見て来い」
彼女の住む町は、我々の居場所からは遥か彼方ですが、
私の出身地からなら電車で30分程のようです。

私「それじゃ、正体がばれないようにスキンヘッドにして私が見に行くよ」
某「怪しいだろ」
私「いやしかし、相手に気付かれたらどうしよう」
某「普通に挨拶しろよ」

やれやれ、こんなアホな元彼が突然現れたら、彼女もさぞ辟易することでしょう。

21:27 | カテゴリー:よしなしごと