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2006年3月25日

上から見る都会の喧噪

ビルの4階にあるレストランに入ったら、窓際の席に案内されました。
眼下に中央通り。銀座4丁目の交差点が見えます。

伯母に連れられ歩行者天国を歩いたこと。
従弟と一緒にデパートのイベントに行ったこと。
一人で伊東屋に買い物に来たこと。
コーヒーショップでラブレターを書いたこと。
ホワイトデーのプレゼントを探したこと。
路線バスから対向車線の教習車を見て、こんな所で大変だなと思ったこと。
銀色のロンドンバスで注目を浴びながら通り抜けたこと。

通りを見下ろしながらそんなことを思い出していました。
メインストリートの喧噪は、ここまでは届きません。
音のない歩行者天国は何やら映画でも見ているようで、
その違和感の所為か自分の記憶までまるで他人事です。

思えば私も随分とこの通りを往来しましたが、
今日は図らずも立ち止まって振り返ることになりました。
高い所から見下ろすという行為には、大局を見つめ直す効果があるようです。
死後の世界から現世を見るとしたらこんな感じでしょうか。

大都会の繁華街にこんな気怠い空間を見つけたら、
いつもなら喜んでしまうところですが、
今日は何だか退屈だったのは、料理がいまいちだったからかも知れません。

23:57 | カテゴリー:よしなしごと

2006年3月18日

うまくいかない日

午後1時には出掛けるつもりが、1時半を過ぎてしまいました。
午後3時に美容院に行った後、そのまま名古屋へ行くか否かで迷い、
結局名古屋行きを決めたのが当日のお昼前。
宿の確保、撮影機材などの準備、そして‥‥
思うところあってスーツで出掛けることにしたのですが、
お気に入りの猫のネクタイが見あたりません。

遅れることを伝えようと駅から美容院に電話しても、出ません。
白髪染めでもやっていて手が離せないのでしょうか。
留守電にメッセージを残したいのですが、周りがうるさくて良く聞こえません。
聞き取れたのは一言「電話をお切りください」
結局何も言えずに電車に乗りました。

地下鉄に乗り換えて美容院の最寄り駅へ。
いつの間にか駅が改装されて、どこの出口を出たらいいかわかりません。
もう一度電話したら、今度は出てくれました。
ごめんなさい。今度は出口の番号を忘れないようにします。

新幹線で名古屋へ来ましたが、目的地はここではありません。
明日明治村へ行くための切符を今日のうちに確保しようと名鉄名古屋駅へ。
しかし、いつも使っている割引クーポンは先月一杯で発売終了。残念。

気を取り直して夕食をと思ったのですが、名古屋の地下街の夜は早いです。
既に夜9時半。軒並み閉店です。
開いているお店もラストオーダーの時間が迫っています。

なんだかうまく行かないなぁと思ってしまう日は、時々あります。
しかし、今日の出来事を良く思い出してみると‥‥

新幹線に乗る前に食べたごはんがおいしかったし、
東京駅では東京駅オリジナルネクタイを買うことができました。
そもそも、出掛ける当日になって名古屋駅前のホテルを確保できたし、
こうしてブログの更新もホテルでできたのですから、
そう悪い日ではありません。

「今日はいきなり出鼻をくじかれた」なんていう考え方は損ですね。
というか、そう考えることで自ら出鼻をくじいています。
もうすぐ日付が変わります。
明日は自分でくじかないように、そろそろ寝ましょうか。

23:56 | カテゴリー:よしなしごと

2006年3月11日

朝寝坊

私は朝7時半に家を出て職場に向かいますが、寝坊して遅刻したことはありません。
ところが、休日に一人で遊びに行くとなると、大概寝坊します。
一度、朝の新幹線に乗り遅れて700円程無駄にしたことがあるので、
それ以来新幹線の切符はなるべく当日東京駅で買うようにしています。

実は今日もまた寝坊しました。
午前10時起床。私の休日としては比較的頑張った方です。
しかし、それから東京港と横浜港の客船入港情報をチェックして、
シャワーを浴びて、ご飯を食べて、鞄に撮影機材を入れて‥‥
なんて事をのんびりやっていたらもう午後です。

誰と待ち合わせするわけでもないし、
アマデア(ドイツの客船)が横浜に入港するのは夕方だから‥‥
と、そんな調子ですから、結局東京駅まで直通の列車に乗り遅れ、
途中で乗り換えなければなりません。

このブログ「わくらばに」は、週に1回は新しい記事を書くことにしています。
前回の更新から1週間。今日中に新しい記事を書きたいのですが、
午後から遊びに行ったら帰宅は深夜。更新は午前0時を過ぎてしまいます。
だから、ノートパソコンを持ち出して、電車の中で書いています。
まるで、パンを食べながら学校へ猛ダッシュするのび太君です。

乗り換え駅まで30分弱。
時間を掛けてだらだら書いてもいいものは書けないし、
夜中に焦りながら書くより精神衛生上もいいし、
かえって良かった‥‥というのは、
果たして「プラス思考」と言っていいものかどうか、少々疑問ではあります。

さて、終点です。東京行きに乗り換えましょう。

17:59 | カテゴリー:よしなしごと

2006年3月 4日

横浜の気高き翼

夕刻、赤レンガ倉庫前から横浜駅東口行きのシーバスに乗ると、
煌々と明かりを灯した美しい船に出会います。
レストラン船「ロイヤルウイング」です。
その素敵な外観は美しいばかりでなく、少々謎めいています。

船体は細長く、船尾が尖っています。
船体に引かれた青い線は、端の部分が矢尻のような形になっています。
遊覧船というより、長距離航路の客船のような姿です。
近くで見ると船体の鉄板がごつごつと波打っている部分があり、
何だか古そうな感じでした。
どうも、ただの遊覧船ではないようです。
何か別の用途に使われていた船を改造したのでしょうか。

File0022a.jpg

謎のレストラン船の正体はネット上でわかりました。
この船は関西汽船が大阪・神戸と別府を結ぶ航路に使っていた船でした。
今は、さんふらわあシリーズ4隻で運航されている航路です。
就航した時は「くれない丸」という名前で、1960年から運航開始。
なるほど、私の思った通りです。

1960年代といえば、新婚旅行で九州へ行くのが流行だったそうです。
私の両親も1968年に結婚し、新婚旅行の行き先は九州・沖縄でした。
かつて多くのカップルを乗せて瀬戸内海を行き来したくれない丸、
ロイヤルウイングとなった今は船上で結婚披露宴もできるそうです。

船の一生は人の一生に似ていると言います。
長距離航路の廃止や運航を休止するクルーズ船も珍しくない中、
建造から40年を経た古い船が新天地でひときわ輝いている姿は、
年齢を重ねてもなお魅力を深め続ける大女優と言ったところでしょうか。
アンティークと呼べる程になっても活躍を続けて欲しいものです。

23:38 | カテゴリー:のりもの